「っぎょ、…餃子!餃子つくって!」 「なんなら子作りする~?」 「一回死んでこい」 「つれないねえ」 楽しそうに言った後、あたしを後ろから抱きしめる。きつくきつく。 「……多分もう、時間がないからねえ」 「え?何の?」 「二つの意味で時間がない」 「だから、なんの」 何度あたしが聞いても教えてくれず、結局何の時間なのかは分からず。 どたどたと玄関から走ってくる音が聞こえるまで桃真は、離してはくれなかった。