6月の少し涼しい夜。 しとしと、しとしと。 「雨か……」 あたしは思わずはあ、ため息をつく。 雨の日は雷がなくても何となく、憂鬱だ。 「……ていうかあいつら遅いし」 今日お母さんいないからご飯作ってくれるって言ってたのに。 ちょっと扉開けてみるか、と立ち上がった。 時。 がちゃり、とお決まりの音が響く。