「……で?告白の返事でしょ?」








「………うん……」









数回深呼吸して、ちゃんと桃真の目を見る。








いつも通りの、桃真だ。





いつも怠そうで、





ゆるゆるで、






優しい桃真が今あたしの目の前に、いる。








「ごめんなさい」






「……………」







「……あたし、やっと分かった。自分の気持ち」







「……きっぱり言うね~」





……今でも、あたしなんかに告白してくれた理由が、分からない。







「……………ありがとう」






「………」






「好きになってくれて、ありがとう」





だけど。







好き、と言ってくれて嬉しかった。







人を好きになるってすごいことで。人に好かれるってすごいことで。







「あり、がとう…!」






これくらいしか言えないけれど、あたしにだって“好き”の価値がどれだけ大きいものか分かる。いや、分かった。







……あ、やばいなんか泣きそう、と思っていれば。







「………え、は、ちょっ!」