目を吊り上がらせて怒る楓弥はそのままがたりと席を立ち、教室を出ていった。もうすぐ始業だけど……と言える場面でもないし立場もない。ついでに記憶もない。 思い出すってなに!?無理無理無理ぃ!! 「やほー、愛梨」 「え、あ……皐月くん」 「どしたの、そんな崖崩れみたいな顔して」 「酷すぎかな~~~~~☆」 さすがに酷いかな?うん。 「で、何?あの双子の片割れくんとなにかあったの?」 「え、あ、いや、……あ、皐月くん」 「んー?」 「……昨日あたしの身のまわりで何かあった?」