二時間目。
「…………バスケか」
バスケットボールをぽんぽん上げたり下げたりしながらめんどくさいな、とため息。
…………まだ、楓弥たちと一言も喋れて、ない。
ぴーっと、男子の方からホイッスルの甲高い音が聞こえてくる。今日は男子もバスケか。ここの体育館は広いから全然大丈夫だな。
やがて女子達の応援の声も耳に入ってくる。
「皐月くーーん!!頑張ってー!!」
やはりモテてる皐月くんは先程レイアップシュートを華麗に決めていて。
こりゃモテるわなー。
「桃真くーん!!!楓弥くーーーん!!!」
その名前を聞いた瞬間、ぴくりと肩が揺れた。
ちらりと男子のほうを見ると。
「………すっご、」

