「ありがとね、“トウマ君”」 「いえいえ」 何も知らないお母さんに腹が立つ。なんてことない顔してる二人に腹が立つ。自分にも腹が立つ。 「…ッ」 ――――――もしかして。 もしかしてこの双子は、ずっとこんな仕打ちを受けていたのかな。 自分の存在が他の人と間違えられる。そんなの、…あたしなら絶対耐えられない。 こういう事をずっとずっとされてきて、もう慣れてしまったのか?