「じゃあ桃真くん、ちょっとそのお皿持ってくれる?」 「……え?」 聞き間違いだった…?いや、違う。今もお母さんは、その金髪に向かってトウマ君、トウマ君と言い続けてる。そいつは楓弥なのに。 それを見て双子は、 「はい、分かりました」 金髪―――楓弥は言う。 「んじゃあ俺はここで待ってますね」 桃真もさらっと返す。 こともあろうかどちらも平然としていて。 ――――…そいつは、楓弥なのに。 お母さんが話しかけてる金髪は、楓弥なのに。