もう一度、その存在を確認するようにぎゅう、と抱き締める。 そしてぱっと腕から奴を解放し顔を上げて、奴に言った。 「じゃーな、ブス」 もう雨は止んでいて、今までの悪天候が嘘のように虹がかかる空。 もう雷なんて鳴らないだろう。 そしたらもう俺は必要ない。 コイツにとって、俺の気持ちはただ困惑させて動揺させるような、いらないモノだ。 ………蓋をしなきゃいけねえ。 「また明日な」 ――――――――切り捨てなきゃいけねえ。