くい、と奴の服の袖を引く。
そんなに力が入ってなくて、ぽす、と。
物凄く簡単に、肩と肩が触れ合った。
それをいいことに、奴の首筋に顔をうずめる。
「……楓弥………?」
「………佐藤って、誰」
「だから中学のときの同級生って、」
「オマエそいつのこと、好きなの」
「うん、好きだよ」
「それはどーいう意味?」
「どう、って」
「友達として?……それとも」
恋愛対象に入ってる?と、聞こうとしたけど、奴に阻止される。
「何言ってんの?友達としてしかないじゃん?」
ものすげえさらっと。
自然に。
俺が気になってたことはさらりと答えが出た。
「………なんだよ、」

