「ブス。テメー帰ってくんのおせえ。さすがの俺でも待ちくたびれてポップコーン買うついでに様子を見に来てやった、感謝しろ」
うん。
ありがとう。
だけどごめん、なんかさっきと違う意味で声が出ないというか。
ありがとうじゃ足りないくらいなんだけど、本当は。
本当に怖かった。
実際体験してみると声が出てこないんだよ。
「オラ、ブス。テメーはさっさとジュース買ってこいや。全員分な。そこにあんだろ」
楓弥が指さした自販機は10メートルも離れていない場所で、今度は大丈夫と思えた。
こくりと楓弥に向けて頷き、ゆっくりゆっくりそちらに向けて歩いた。

