玄関には寝ていたはずの父親がいた 機嫌が悪いのか私を後ろから蹴った 『いった…』 「ちゃらちゃらしやがって…」 ぐっ 胸ぐらを掴まれた 小柄な私を持ち上げた 怖い…怖い…怖い 『う……ごめ…なさ…』 私を突き飛ばした 『げほげほ…』 そしてまた自分の部屋へ戻っていった しばらく私は立ち上がれないでいた 自分の無力さを呪った 『くそ…くそ…くそ…なん…で…』 泣かない…泣かない… 私はそっと立ち上がり 泰君の元に向かった