「ばーか」
「コウが変なこと言うからじゃんっ。あたしはちょっと聞きたいことがあっただけなのに」
「だからそれを早く言えっての」
「……沙弥のことなんだけど」
「沙弥の?」
あ。まずい。
清水先生がこっちにらんだ。
仕方ないから、ルーズリーフに書いて、小さくたたんでコウに渡す。
『沙弥の好きなものってなに?』
コウはメモを見て眉間にシワをよせた。
え。まさか知らない?
幼なじみなんだから好きなものくらい知ってるよね?
コウは眉間にシワを寄せたまま、何か書いて返してきた。
『勉強?』
ちっ
があーう!!!!
そういうことじゃない!
勉強は必要だからやってるんじゃん!
しかもなんで最後ハテナついてんの!? バカなの!?


