可愛くないって言わないで!!


我ながら超可愛い。


暗くてダサい制服が、一気に明るく爽やかになった。

さすがあたし。




桂木沙弥は、まだ戸惑った顔をしてる。


でも、あたしをこわがってはないみたいでよかった。

よかったよ。




あたしは

あたしに似てる子を傷つけない。






「あのね。あたし謝らないから」


「……え」


「この間のこと。謝ろうかなーとも一瞬考えたけど、あたし悪くないしやめたの」


「ああ……。気にしてくれてたの? わたしも気にしてないから、」


「そういう強がりもいらない。あんたに何か言ってもらいたいわけじゃなくてさ」



よくわかってない顔の彼女。


あたしはその彼女のダサいスカーフに手をかけて、

しゅるりと勝手にほどいてみせた。



そして自分のパステルイエローのスカーフもほどいて、



それを固まる彼女の胸に飾った。