「さっさと謝っちまった方が楽なのに、藤村はそういう楽な道を選ばないんだな」
「ってゆーか、謝り方がわかんない。あたし悪くないし、傷つけてごめんねーとか言うのも変じゃない?」
あたしなら、そんな謝られ方したくない。
もっと嫌な気分になりそう。
「そうだな。言い方が悪けりゃ、桂木はさらに傷つくかもしれない」
「だから困ってるんじゃん」
「うくく。お前本当に損してるよ。実はけっこう優しい奴なのにな。もったいない」
ちょっと、びっくりした。
そんな風に言われたのははじめてで。
だってあたしは“性格ブス”とかばっか言われてた。
だから清水先生の言葉は、素直にうれしかった。
なんか、照れくさい。


