「藤村は転校してきたばっかだし、まだ腹割って話せるような奴はいないだろ。だからまあ、話したいことがあれば俺に話せよ」
「……なんか、先生みたい」
「おい。俺は正真正銘の先生だ」
心外だ、って顔をする先生。
ちょっと笑えた。
「言っておくけど、俺は口が固いぞ」
「別に固くなくてもいいけど。だって噂でとっくに広まってるし」
「噂?」
「先生たちまでは、まだ届いてないんだね」
あたしはするりと、一連のことを清水先生に話した。
なんでか先生には迷いもためらいもなく話せてしまった。
相手が大人だからかな。
それとも
とにかく誰かに聞いてほしかったのか。
「予想はしてたけど……お前は本当に、難儀な性格してんなあ」
話しを聞き終わると、先生はそう言って苦笑した。


