「じゃあお前、友だちに謝ったことないってのか?」
まさかって感じで島田光太郎が聞いてくる。
その態度がまたムカつく。
あんたになんか、わからない。
「あたしはね、ずっと……ずーっとそういう生活だったの! 男子には無条件で好かれて、好かれた分だけ女子に嫌われてきたの! それがあたしにとっての“普通”!」
あたしがあたしでいる限り、友だちなんてできない。
できないならいらない。
あたしはあたしだから、あたしはひとりでも大丈夫なんだ。
「もうあの子に関わらなければいいんでしょ! わかったから、あんたももうあたしに話しかけてこないで!」
叫んで、あたしは島田光太郎に背を向けた。
もう追いかけてこない。
ほっとした。清々した。
そのはずなのに……。
寂しいなんて、そんなのありえない。


