言い合っていたら、前の席の男子が笑ってこっちを見た。
メガネの奥、涼しげな瞳があたしを映す。
ええと、なんて名前だっけ。
「ふたり、なんか昨日より仲良いなあ」
「はあ? どうやったらそう見えるの?」
「ケンカするカップルみたいに見えるけど? 昨日あれから何かあった?」
カップル!? 島田光太郎と!?
冗談じゃないんだけど!
「さすが宗介、鋭いな。昨日一緒に帰ったんだよ」
「一緒になんて帰ってない! あんたが一方的につきまとってきただけでしょ!」
「さすが光太郎、手が早いな」
「手なんて出されてない!」
「いや、俺にも一応好みってもんがあるし」
「それどういう意味!?」


