「おまっ! 俺がどれだけ……」
「どれだけなに!? 小津くんに勝ったのだってまぐれでしょ! お礼なんて言わないから!」
「こんのやろ……っ」
ぎりぎりと、ステージの上で睨み合う。
こんなの、怒ってるフリだ。
そうしてないと、泣いちゃいそうで。
期待しかけた自分がみじめで可哀想で。
「え、ええーと……なにやら痴話げんからしきことが始まっておりますが……」
「痴話げんかじゃない!」
おろおろする司会者をぎろりと睨む。
男の子は慌てて飛びのいた。
「なにそんなキレてんだよ!」
「コウが無神経だから!」
「はあ!? なんでだよ! そんなに俺にほっぺにちゅーすんのが嫌なのか!」
「嫌だとは言ってないでしょ!? ほんっとムカつく! 絶対ちゅーなんてしないから!」
「お前拒否権ないとか言っといて……」
「うるさいうるさーい! もうコウなんて知らない!」


