可愛くないって言わないで!!



いまだ興奮の中にいた生徒たちが、静まり返る。



いま……なんて?



コウは誰の名前を言ったの?




階段を降りかけたまぬけな格好で、ぎぎぎとゆっくり振り返る。



全校生徒が、こっちを見ていた。


ステージ上の参加者もみんなあたしを見ていた。



そしてコウが……。




「どこ行こうとしてんだよ、真衣」



たすきをかけられて、おもちゃの王冠をかぶったコウが、こっちに来る。



全然似合ってない。


コントしてる芸人みたい。



でもそんなばかみたいなかっこのコウも、やっぱり好きだ。




「な、なんで……」


「ほっぺにちゅーとか言いだしたのはお前だろ? しっかり責任取れよ」


「だ、だって」


「拒否権はないんだろ?」




さっきあたしが言ったことを逆手にとって、コウはあたしを引きずるようにステージ真ん中に連れていった。