可愛くないって言わないで!!


美少女だ。美少女がいる。


それもただの美少女じゃない。



“あたしが”美少女だと思うくらいの美少女だ。



つまり、あたしと同じくらい


もしかしたらそれ以上の……




「桂木。行くか」



小津くんが鞄を持って美少女のもとへ。



並ぶと確かに美男美女。


でも、小津くんと彼女じゃ“美”のレベルがちがう。



「光太郎!」



美少女が誰かを呼ぶ。


光太郎……って、どこかで聞いたことがあるような。



「なんだよ沙弥」



隣のバカがぶっきらぼうにこたえる。


ああ、そういえばそんな名前だったっけ。