可愛くないって言わないで!!


なに、

みんななに見てるの?


クラスメイトたちの視線を追って、教室の入り口を見る。



その瞬間


呼吸が、心臓が……



時間が止まった。



「小津くん、図書室行かない?」



透明感のある声で、その子は言った。


宝石みたいに光る黒い瞳

真っ白な雪のようにシミひとつ、にきびひとつない肌

そこに映える、花びらみたいに紅い唇。


ほっそりした身体

長い手足はいまにも折れてしまいそう。



彼女を包む空気が他とはちがう。

キラキラと輝くオーラみたいなものが見えるようだ。


あれ、

ほんとに人間?