あたしも心配だ。
前のあたしならこんな風に真子の心配をすることなんてなかったと思う。
あたしはたぶん、ちょっと変わった。
真子を大事に思うようになった。
だから真子が安心して学校に来られるようにしてやらなきゃいけない。
真子のクラスは5年3組。
3階にそのクラスのプレートを見つけて、
あたしは迷うことなく教室の前の扉を開いた。
バン!
勢い良く開いたドア。
思った通り帰りの会の最中だったみたいで、みんな机にカバンを乗せて席についていた。
ってことは、教卓にいる先生が担任か。
「な、なんだきみは……? 中学生か?」
30後半か40前半の男の先生。
メガネをかけたその人は、あたしを見て思いきり動揺してる。
メガネ教師か。
最近小津くんのせいでメガネが嫌いになってきてるんだよね。
完全な八つ当たりだけど。


