「お前言うなあ」
「事実だし。なんで小津くんがモテるのか意味不明」
「お前の性格もアイツとイイ勝負だけどな」
「どこが!? あたしはもっと可愛い性格してますー!」
「だからどっから来るんだよその自信!」
笑い合って、パピコをかじる。
コウとのこういうやりとりに、懐かしさすら覚えた。
コウには元気でいてほしい。笑っていてほしい。
たとえコウの頭の中が、沙弥でいっぱいだったとしても。
でもやっぱり、少しはあたしのことも見てほしい。
「ねぇコウ。沙弥の恋、応援できる?」
「応援?」
「小津くんとのニセモノの恋じゃなくて、本物の恋。あたしは応援するって約束したんだ。でも……」
コウは、どうするんだろうって思ってた。
できたら応援してほしい。
それは沙弥のためと言うよりも、あたし自身のたまにそう考えた。


