その時、
ガチャリと音がして、進路指導室のドアが開かれた。
入ってきたのは清水先生だ。
沙弥があわててスカートを下ろす。
「おう。お前ら昼休みまで進路について調べてんのか。感心だな」
「先生。ノックくらいしてよね」
「ここはお前の自室か?」
笑いながら、清水先生が資料棚の前に立つ。
いくつか資料を引き抜いて、あたしたちの頭に軽く手を置いた。
「あんまり根詰めるなよ」
「はーい」
資料を持って、先生が部屋を出ていく。
ふと沙弥を見ると、
その横顔が真っ赤に染まっていた。
「え……」
えええええええええっ!?
「沙弥の好きな人ってまさか……っ」
赤い顔のまま、沙弥はこくりとうなずいた。
うっそ……マジで?
清水先生?
好きな相手が、先生なの?


