可愛くないって言わないで!!



「そうなんだ。事情はよくわかんないけど、沙弥の片想いを隠しておきたかったんだね」


「うん……」


「でもさ。それってコウにまで秘密にしておくことはなかったんじゃない?」




沙弥の黒い瞳が揺れる。



あたしの言葉が、ぐさりと胸に刺さったのかもしれない。


でもあたしは、言葉を止めようとは思わない。




沙弥を傷つけたくないけど、


大好きな人が良くないことをしてるなら、止めるべきだ。



それにあたしは、コウのことだって心配だから。




「コウは沙弥の幼なじみじゃん。アイツは沙弥が隠しておきたいことを、言いふらすような奴じゃないよ」


「わかってる。それは、わかってるの。でも……小津くんと付き合ってるフリをしたのは、光太郎のこともあったから」


「コウのこと?」



コウの為に、嘘をついたってこと?



なんかややこしくなってきた。


全然理解できない。