沙弥を教室から連れだした。
でもどこに向かえばいいのかわからなくて、なぜか進路指導室に来てしまった。
鍵はあいてたけど、中には誰もいない。
部屋に入って、並んで腰かける。
黙ってると進路指導室はほんと静かで居心地が悪い。
「あのさ」
だから思い切って、聞いてみた。
あたしは遠周りに聞くなんて器用なことできないから、
ストレートに。
「なんで小津くんと付き合ってるフリしてたの?」
沙弥はキュッと長いスカートを握りしめて、
長い溜め息をついた。
気持ちを落ち着けるように。
「……1年ちょっと前くらいに、小津くんに言われたの。付き合ってるフリをしないかって」
小津!!
やっぱりお前か……っ!!
ほんと何考えてるのかわかんない男!


