隣りのクラスをのぞくと沙弥がいた。
朝と同じように、自分の席で参考書を開いている。
でもその目は窓の外へと向けられていた。
沙弥。
いまアンタは、なにを考えてる?
沙弥のクラスメイトたちに睨まれながら、彼女のもとへ向かう。
きっとまた朝のことが尾びれ背びれがついて広まってるんだろうな。
いまさら痛くもかゆくもない。
「沙弥」
声をかけると、ぼんやりした顔の沙弥があたしを見た。
沙弥でもこんな顔するんだ。
いつでも完璧な美少女って感じなのに。
なんて、
常に完璧なんてあるわけない。
あたしだってどこからどう見ても完璧な美少女だけど、
コウのことで悩んで焦って落ちこんで
すごくかっこわるい時がある。
同じように沙弥だって、悩んで焦って落ちこんで
間違うことだってきっとある。


