「あれ。真衣、どこに行くの?」
昼休み。
席を立ったあたしに、小津くんがそう声をかけてきた。
みんなこっち見てるし、ムシしたい。
名前呼ぶの、やめてほしい。
この人、ほんとなんなの?
「沙弥のとこ」
「それってさ、誰のため?」
「はあ?」
「光太郎のために桂木になにか聞きに行こうとしてるんなら、やめておけよ」
「なんで小津くんにそんなこと指図されなきゃいけないわけ」
睨む。
告白してきた相手をこれでもかってくらい睨む。
ってゆーか、朝のあれは告白にカウントしない。
あんなの告白じゃない。
小津くんの悪ふざけだ。
「真衣がいくらがんばったところで、光太郎が好きなのは桂木だよ」
にっこりと、爽やかに笑う小津くん。
でもあたしには、腹黒そうな顔に見えた。


