可愛くないって言わないで!!



慌てて上履きのまま飛び出して、コウの手をつかんだ。



「待って! どこ行くの!?」


「放っといてくれ」


「落ち着いてよ! 沙弥の話、ちゃんと聞いた方がいいって!」


「話なんて聞く必要ねーよ」


「なに拗ねてんの! 沙弥にも何か事情があったんだよ、絶対! そうじゃなきゃ沙弥が嘘なんてつくはず……」


「うるせぇっ! お前が沙弥のなにを知ってるって言うんだよ!?」




血走った目。


これは、沙弥を傷つけたあたしを睨んでいた時の目だ。



唇を、切れそうなくらい噛む。



くやしい。


そりゃあこの学校に来てまだ1ヶ月も経ってない。


沙弥と仲良くなってまだ日も浅い。



幼なじみのアンタの方が、ずっとずっと沙弥のこと知ってるのはわかってる。




それでも、


同じ女で、あたしと沙弥は少し似てるから、あたしにしかわからない部分だってあるはずだ。