「……どういうことだよ」
「どういうって、なにが?」
「お前は宗介と付き合ってんじゃなかったのかよ」
コウの地を這うような声に、沙弥は大きく目を見開いた。
「答えろ、沙弥」
「小津くんが、光太郎に何か話したの……?」
「俺はお前の答えを聞いてんだよ! 誤魔化そうとすんな! 言え!」
コウの叫びが教室に響く。
教室中が……ううん。廊下の野次馬まで、みんなコウと沙弥を見ていた。
「……ごめんなさい」
付き合ってません。
沙弥の答えはとても小さな声だったのに、あたしの耳にしっかりと届いた。
それでもまだ、信じられない。
だって、どうして?
どうしてウソをついてたの?
どうしてみんなに隠してたの?
どうして、コウまでだましていたの……?


