あたしもコウも唖然となっていた。
小津くんだけが機嫌よさげに笑ってる。
なんで笑ってんの?
返事をするどころか固まっていると、
コウが先に動いた。
無言であたしたちに背を向けて歩き出す。
「コ、コウ……!」
どこ行くの!?
あたしも小津くんを置いてコウの背中を追いかける。
コウはあたしたちの教室の前を素通りして、隣りのクラスのドアを思い切り開いた。
バァンッ!
派手な音が響いてみんなが驚いてコウを見る。
コウはまっすぐ、沙弥のもとへと向かっていった。
「光太郎? どうしたの?」
自分の席で参考書を開いていた沙弥は、
コウを見て首を傾げた。
あたしは教室の入り口から動けない。
ただ、コウの背中をじっと見つめた。


