「なにしてんの」
「み、見てわかんないの? アンタを待ってたんだけどっ」
「なんで?」
「……ちょっと、進路について調べてたら遅くなっちゃったから」
うしろ、乗せてよ。
ぼそりとあたしがそう言うと、コウはやっと、表情をゆるめた。
しょうがねーなって感じで。
なんかバカにされてるみたいでムカつくけど、不機嫌だったり無表情なコウよりずっといい。
そばに来て、駐輪場から自転車を出すコウ。
ジャージ姿だからなのかなんなのか、いつもより少し、大きく見えた。
「ほら。乗れよ」
自転車にまたがり、うしろの荷台を指すコウ。
「い、いいの?」
「お前が乗せろって言ったんだろ? パンツ見えても知らねーぞ」
「パ……!? アンタってほんとデリカシーないよね!」
「パンツくらいでなんだよ」
「パンツパンツうるさい!」


