「沙弥ってずっと女子校狙ってたんだよね? なんでこっちの共学で迷うことになったの?」
「狙ってたって言っても、母がね。わたしにはここに行きたいっていう学校が見付からなくて、ずっとその女子校を志望にしてただけなの」
「ふーん」
「それで、清水先生がこっちの共学のことを話してくれて。先生の母校なんだって」
「へえ……」
先生の母校、ねえ。
ちらりと沙弥を見る。
沙弥は先生が出て行った扉を見ていた。
なーんか……
なんだろうね、この違和感。
小津くんといい沙弥といい、なんなんだろう。
「まあいいや。沙弥、ここ狙うならあたしもここ、第一志望にしてみようかな」
「え。本当?」
沙弥はびっくりしたみたいに目を丸くする。
失礼な。
あたしはやる時はやる女なのに。


