「こら、藤村。ランクを下げろとは何事だ」
「だって。あたしそんな頭良くないから、沙弥と同じとこ行けないじゃん」
「だったらお前がランク上げる努力すればいいだろ」
「それも考えたけど、あんま現実的じゃないし」
正直言うと、先生は呆れたように苦笑いする。
だって。
沙弥ってば想像以上に頭良いみたいなんだもん。
「お前、諦めるのはやくないか?」
「冷静に現状把握してるだけだもん」
「大人ぶるのもけっこうだが、もったいないんじゃないか」
先生の節の太い大きな手が伸びてきて、
するりと指先がスカーフをかすめた。
「せっかくその派手なスカーフそろいにするくらいの仲になったんだ。がんばってみろよ」
さとすみたいに言って笑い、先生が立ち上がる。
なにかあったら呼べよと言って、そのまま進路指導室を出ていった。


