進路の話を真剣にしてるって雰囲気じゃなかった。
談笑って感じで、ふたりとも笑ってる。
特に沙弥。
すごく柔らかくて、可愛い笑顔を見せていた。
不思議に思いながら、ドアをノックする。
「失礼しまーす」
中に入ると、ふたりがそろってあたしを見た。
「真衣」
「おー、藤村。進路調べか」
「うん。沙弥も進路?」
「そう。ちょっと迷ってて……」
ちらりと沙弥が先生を見る。
先生は気付いていないのか、立ち上がって机にあった資料を棚に戻す。
「小津くんに聞いたけど、沙弥の第一志望って女子校なんだって?」
「いまのところはね」
「そっかー。ランク高いんでしょ? 迷ってるならちょっと下げようよ。あたしも狙えるとこくら……いたあっ」
頭に軽い衝撃。
先生が、分厚い資料をあたしの頭に乗せていた。


