「ほんとうにごめんね、真衣」
「だからもういいって。それよりさ、昨日これ買ったんだよね」
「買った? 下見は?」
「下見したけど、なんかまだピンとこなかった。ねぇ、これなんだけど」
あたしの胸元にあるのと同じ、トリコロールのスカーフを沙弥に渡すと
勢い良く抱きつかれた。
ありがとうって、すっごくきれいな笑顔で言われちゃった。
超可愛い彼女をもった彼氏の気分。
「なんか、妬けるなあ」
なんて、小津くんが苦笑していた。
正直小津くんなんて相手じゃないし。
沙弥とあたしの方がラブラブだし。
あたし、ほんとに沙弥が好きかも。
大好きかも。
沙弥もそう思ってくれてたらいいんだけどな……。


