「沙弥。もういいよ」
「真衣」
「大丈夫。こういうの、慣れっこだから。誤解されるのも、責められるのも日常茶飯事っていうか。ね」
沙弥の友だちたちは気まずそうな顔をして、
沙弥はなぜか怒ったような顔になる。
「そんなのに慣れちゃだめっ」
「でも、実際慣れちゃってるし。あーまたかって感じ?」
「真衣!」
「それにあたしが誤解されるような言い方しちゃうのも確かだからさ。いいんだよ」
誰にどう思われようと、
どう誤解されようと、
あたしは悪くない。
前はそう自分に言い聞かせてた。
悪いのは誤解したり罪をなすりつけようとする周りの方だって。
そうやって強がってた。
でも、いまはちょっとちがう。
あたしは悪くないって言ってくれる人ができたから。
だから、あたしは大丈夫なんだ。


