沙弥は強い目で友だちを見て、
それから周りの野次馬を睨んだ。
「どうしてそんな風にすぐ真衣を責めるの?」
「沙弥ちゃん。あたしたちは……」
「みんなおかしいよ。こういうことがあったとしても、いままでならすぐわたしに聞くか、様子を見たりしてたはずじゃない? どうして真衣にためらいなく攻撃するの?」
「だって、この子が小津くんと昨日……」
「真衣がデートしたって言った? 言ってないんじゃない? 否定したでしょう?」
なんだか、
沙弥がつらそうに見える。
みんなを責める言葉を吐く姿が痛々しい。
「その子が誤解されるようなこと言うからだよっ」
「すぐに決めつけるのは悪くないって言いたいの?」
やめよう。
沙弥の心が痛そうだ。
らしくなく怒る肩に手をかけると、
細いその肩は震えていた。


