沙弥が整った顔を歪める。
いまにも泣きだしそうに見えて後悔した。
やっぱり昨日は沙弥が来ないとわかった時点で帰るべきだった。
こうなること、予想できたはずなのに。
なんて考えても遅いんだけど。
「真衣、ごめん!」
沙弥が焦った顔で、あたしの顔をのぞきこんだ。
宝石みたいな黒目とぶつかって、そらせなくなる。
「わたしのせいだね! 考えなしだったね。本当にごめんなさいっ」
あたしをかばって、立ってくれる。
あたしは悪くないと、言ってくれる。
そんな存在、いままでいなかった。
あたしはあることないこと言われて、
理不尽に責められて、
悪くなくても悪いと言われてきた。
あたしのありのままを、
それでいいんだと言ってくれる友だちなんて……
きっと一生できないと諦めてた。


