そんな目で見られても困る。
あたしだって、あそこまでコウが怒ってる理由がわかんないんだから。
「えーと。何があったんだ?」
痺れを切らしたように、小津くんが沙弥の友だちに尋ねる。
女の子たちはそろって肩をびくりとさせた。
「あ、あたしたち……」
「昨日、藤村さんが小津くんといたって聞いて、」
「それで……どういうことか、藤村さんに聞こうとして」
沙弥があの綺麗な瞳を見開いた。
「ちがう!」
あたしをかばうように飛び出して、沙弥は沙弥らしくない大声をあげた。
「昨日はわたしが真衣と約束してたの! でも急用で行けなくなって、代わりを小津くんにお願いしたの!」
「え……じゃあ」
「真衣は何もしてない! 急に行けなくなったわたしが悪いのに、なんで……っ」


