可愛くないって言わないで!!




「どうなの!? 島田にも責められたんでしょ!」



「うるせえよっ」





突然、


背中から不機嫌な声が上がった。



うなるみたいな低いその声は。




「……コウ」




ポケットに手をつっこんで、だるそうにアゴを突き出しながらこっちを睨むコウがいた。



いつもの太陽みたいな笑顔はない。


低気圧でも背負ってるような顔してる。





「島田。アンタも昨日見たんだよね? この子が小津くんと……」


「うるせえっつってんだ!」


「ひっ」




ガンッと勢い良く、コウが廊下のゴミ箱を蹴った。



大きいプラスチック製のゴミ箱が飛び、中身が廊下にちらばった。




「外野がごちゃごちゃうっせえ!」


「し、島田……」


「コイツは別に悪くない! 関係ねー奴がしゃしゃり出てくんじゃねえよ!!」