顔を歪めて、コウがまたあたしに背を向ける。 銀色の自転車に飛び乗って、勢い良くペダルをこぎ出すと あっという間に青いジャージは去っていく。 銀色をキラキラさせて、ぐんぐん遠ざかっていく。 なによ。 なんなのよ。 なんであたしが、こんな気持ちにならなきゃいけないの? 「コウの…… バカ―――――――――!!」 あたしの叫びはやがて、波打つ音にかき消された。