部活帰りか、これから向かうのか。
真っ青な海みたいな色のジャージを着たコウがあたしたちを見ていた。
いつもの笑顔を消して、無表情で。
「なにやってんのって聞いてんだよ」
ガードレールに自転車を押しつけるようにして、コウがこっちに来る。
なんで怒って……あ。
あたしが小津くんといることを誤解してるんだ!
「コウ、ちがう……」
「おい、宗介。てめーはなにやってんだよ?」
「なにって、藤村さんの顔が赤いから、熱でもあるんじゃないかと」
「ふざけてんじゃねぇぞ!!」
小津くんの胸倉をつかんで、コウが叫ぶ。
鼓膜がびりびりするような怒声だった。
なのに、小津くんはまるで動じていないように平然としてる。
「なんでてめぇが真衣といるんだよ!? なにやってんだコラ!!」
「光太郎こそ、なにをそんなに怒ってるんだ?」


