「好きな子がそんなにかっこいいなら、真子も可愛くすればいいのに」
「……あたしはお姉ちゃんみたいな顔じゃないし」
出た。真子の卑屈。
たしかにあたしたち姉妹は似てない。
全然似てない。
あたしは世界一可愛くて、真子は地味顔。
「あたしになろうとしてどうすんの。あたしはあたしひとりしかいないの。真子もあんたひとりなんだから。真子は真子なりに可愛くなればいいじゃん」
「簡単に言わないでよ。元々可愛いお姉ちゃんにはわかんないよ!」
怒鳴って、真子はバタバタと自分の部屋に逃げていった。
せっかく久しぶりに、姉妹らしく仲良く話せてたのに。
怒らせるようなこと言ったっけ?
ほんと真子って気難しい。
「帰り、アイスでも買ってきてあげよ」
パピコ半分こで機嫌なおしてくれればいいけど。


