少女狂妄

 ベンチに戻って、二人仲良く並んで缶コーヒーと缶ココアに舌鼓を打つ。

 水で冷えた手も、缶の温かさを奪ってぬくまっていた。


「おいしい」


 体にかけたマフラーで保温されて、ココアで体の中から温められる。

 日向さんがいなかったら、私は凍死していたかもしれない。


「そういえば、もうすぐクリスマスだね。蛍ちゃんの家は、もうクリスマスツリー出した?」

「いいえ、まだです」


 毎年お母さんが飾っているけど、今年はまだ飾っていない。

 昔は私も一緒になって飾り付けをしてたけど、ここ何年かは手伝ってない。


「そっか、俺の家はもう出したよ。といっても、卓上の小さいやつだけど」


 日向さんと、しばしの歓談。

 楽しそうな日向さんの笑顔に癒される。