ブランコに腰掛けた膝の上に肘を置いて、組んだ手に額を押しあてる。
女の子と猫は視界から消えて、自分の黒いローファーと地面だけが見えた。
風に吹かれた隣のブランコが、耳障りな音を立てる。
真上を小鳥がさえずりながら飛んでいく。
女の子の笑い声と、猫の鳴き声がした。
「あ、コラっ。待てー!」
その声に顔を上げると、さっきいた場所に女の子と猫はいなかった。
「待ってってばー!」
女の子と猫は追いかけっこをしていた。
猫が逃げて女の子が追いかけて、ぐるぐると公園の中を走り回っている。
ブランコのまわりを回ったり、すべり台の下をくぐり抜けたり、生垣に飛び込んで飛び越えて、めまぐるしい。
「もお、いい!」
女の子の方が先に息を切らせて、ギブアップした。そのまま踵を返して公園を出て行こうとする。
そのとたん、猫が木の上から飛び降りてきた。
それでも無視して公園を出ていくと、猫はその後をついていく。
背筋が一瞬、冷たくなる。
女の子と猫と、一瞬目が合った気がした。
女の子と猫は視界から消えて、自分の黒いローファーと地面だけが見えた。
風に吹かれた隣のブランコが、耳障りな音を立てる。
真上を小鳥がさえずりながら飛んでいく。
女の子の笑い声と、猫の鳴き声がした。
「あ、コラっ。待てー!」
その声に顔を上げると、さっきいた場所に女の子と猫はいなかった。
「待ってってばー!」
女の子と猫は追いかけっこをしていた。
猫が逃げて女の子が追いかけて、ぐるぐると公園の中を走り回っている。
ブランコのまわりを回ったり、すべり台の下をくぐり抜けたり、生垣に飛び込んで飛び越えて、めまぐるしい。
「もお、いい!」
女の子の方が先に息を切らせて、ギブアップした。そのまま踵を返して公園を出て行こうとする。
そのとたん、猫が木の上から飛び降りてきた。
それでも無視して公園を出ていくと、猫はその後をついていく。
背筋が一瞬、冷たくなる。
女の子と猫と、一瞬目が合った気がした。



