少女狂妄

 日向さんがあの女の子を殺したなんて、やっぱり樹の嘘なんじゃないだろうか。

 そう思いながら、今度はクローゼットに移動する。

 両開きの扉に手を掛けて、開け放つ。

 部屋の空気とクローゼットの中の空気が混ざる。

 心臓が一瞬止まった気がした。

 腐臭がする。

 生モノが腐った、嫌な臭い。

 ハンガーに掛った服が、カーテンみたいに視界を遮る。

 カーテンを開くようにそれを片側に寄せると、クローゼットの奥に奇妙な物があることに気がついた。

 ガムテープでがっちりと封のされた、半透明の衣装ケース。

 その中に見えるのは、衣替えを待つ服なんかじゃない。

 工事現場で見かけるようなブルーシートだった。

 それも、ただブルーシートが入っているだけじゃない。

 ブルーシートはなにかを包んでいるようだった。