「……朱音が、一番最初じゃないの?」
暗い気持ちになっていく。
私は朱音じゃない。
蛍だ。
だから、私はきっと存在しないはずの人間。
「僕が知ってるだけでも、朱音を名乗る人格は三人いるよ」
「そんなに……?」
「戸籍と名前が一緒ってだけだからね。そのなかの誰かが僕らの基礎となった人格かもしれないし、そうじゃないかもしれない」
暗くなる私に、樹は楽しそうだ。
多重人格なんて、小説やドラマの世界にしか存在しないフィクションだと思っていた。
なのに、私がそうだと言う。
幻の言うことを信じるなんて、自分でも馬鹿げていると思う。
それでも、私は樹の言葉を否定できなかった。
否定するには、私の存在はあやふや過ぎた。
どうして今まで疑問に思ってこなかったんだろう。
気付かなかった自分が恐ろしい。
暗い気持ちになっていく。
私は朱音じゃない。
蛍だ。
だから、私はきっと存在しないはずの人間。
「僕が知ってるだけでも、朱音を名乗る人格は三人いるよ」
「そんなに……?」
「戸籍と名前が一緒ってだけだからね。そのなかの誰かが僕らの基礎となった人格かもしれないし、そうじゃないかもしれない」
暗くなる私に、樹は楽しそうだ。
多重人格なんて、小説やドラマの世界にしか存在しないフィクションだと思っていた。
なのに、私がそうだと言う。
幻の言うことを信じるなんて、自分でも馬鹿げていると思う。
それでも、私は樹の言葉を否定できなかった。
否定するには、私の存在はあやふや過ぎた。
どうして今まで疑問に思ってこなかったんだろう。
気付かなかった自分が恐ろしい。



