そんなことを考えていると、お客さんの足音が近づいてきた。


新しい人来た……!


さっきと同じ要領で、新しいお客さんの前に出ようとした。


「……。」


『……。』


え?無言……


怖くなかったのかな?
私はそう思い、さっき言ったことを口にした。


「あなたの魂ちょうだいよー……!」


『……。
魂をもらうのは俺の方だぜ?』


……え?
この声……まさか。


「月夜?」


「ようやく気づいたのかよ。」


「でもまさか、自分の出し物で自分の現状で脅してるとは思わなかったぜ。」


…う。
それをつかれると痛いけど……。
でも、来てくれた……。

それだけで嬉しいや。


「月夜の影響でそれしか浮かばなかっただけだもん。」


「まあ、そうかもな。」


月夜はニヤリと笑った。
それは、いつも通りの、月夜の笑みだった。


「てか!お客様と話してたらダメだし!
私、午後から回れるからさ、一緒に文化祭回ろう?」


「ああ。いいぜ。」


「やった!
終わったら連絡する!」


「ああ。じゃあまたあとでな。」


「うん。」


私は月夜と一緒に回る約束をすると、月夜はどのポイントにも怖がることなく、去っていった。


さすが死神…としか言いようがなかった。