「やっぱ、付き合ってたのかな…」 ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。 ってことは、あの日。 梶真奈美が蓮くんの家に来たあの日。 もし付き合ってたのなら、あたしが第一目撃者だったりする? なんて自分を慰めるようなことを考えても 頭に浮かぶのは蓮くんの姿だけだった。 「……バーカ…」 蓮くんに向けた言葉を、届きもしないのにつぶやく。 ─なんで…あんなこと言うのよ…。